帰り道駅の下りのエスカレーターに乗っていた時、
男の方が上の段に、女が下の段に立ち、向かい合ってチューしてた。
目をつぶってじーっとチュウしたまま、エスカレーターは上がっていった。
恋愛してる自分に酔ってるね~。
10代終わり~20代前半くらいの年頃の若いカップル。
まあ、そんな年頃だね。
年取ったらそんなことできないし、する気もおきないからね。
今は楽しい時だね。
とは思うものの、それを見た瞬間の感情は、うえ~キモっ。
私はいわゆる恋愛ものに興味がない。
ドラマも映画も本も。
興味がないというより、何が面白いかわからない。
ラブシーン、キスシーンなんてただひたすらに気持ち悪い、昔から。
だいぶ前に同居人に聞かれことがある。
「びねがさんは、アセクシャル?」
「アセクシャル」という言葉を聞いたことがなかったので
すぐ調べて軽い衝撃を受けた。
100%アセクシャルとは言い難いけど、私はかなり近いかも。
子供の頃から周りの女の子が
「〇〇くん、かっこいい」とか
「わたし〇〇くんが好き」とか言う話についていけなかった。
かっこいい男の子っていうのがどういうものかわからなかったし、
好きという感情もわからなかった。
だからそういう話題は、ふ~んって感じで聞いてるだけだったけど
年齢が上がるにつれてますますそんな話ばっかりになってきて
さすがに、そういう感情の湧かない私はちょっと変?と思うようになった。
異性を好きになるのがフツーなんだと理解してからやっと
画面の向こうにいる男性に興味をもつようになったけどおそらくそれは、
無意識的にそういう感情をもたなければいけないのだと
自分に暗示をかけていたような気もする。
「アセクシャル」という言葉を知った今になって私の過去の恋愛が
ことごとくうまくいかなかったのがわかった気がした。
もちろんアセクシャルだけが原因じゃなくて
昔は、恋愛できない自分が欠陥人間に思えて嫌でたまらなかったけど
45才くらいからそれらを手放し(諦め)たらすごくラクになったのも
本質的に求めていないからなのだろう。
世間に必死に合わせようとして大きなストレスになっていたのだ。
はてはてしかし、同居人は男である。
異性に対して性的な感情を抱くヘテロセクシュアルである。
こんな私と一緒に暮らしてて楽しいのだろうかと疑問になる。
そして私は同居人のことをどう思ってるかというと、実はよくわかってない。
もちろん嫌いではない。嫌いな人間と同居などできるわけがないから。
好きは好きだけどその好きは恋愛かどうかと問われると・・・・?
同居人は、今まで出会った人間の中で
誰よりも親よりも自分を偽る必要がない人なので一緒にいてもそれほど疲れない。
HSP気質もASDっぽいとこも親が嫌いなこともすぐメンタル病むことも
偏食で潔癖っぽいとこもわかってくれて否定しないで
私に合わせようとしてくれるので
同居人の前では本来の自分が野放しになりがちだ。
だから私はいいけど、
同居人がこんなめんどくさい性質+アセクシャルな私と同居したがる理由って
なんだろう?と時々考えてしまう。