太るの怖いですか?
私は怖いです。
人生ほとんど小太りで生きてきました。
加齢と共にそんな思考から解放され自由になれると思ってたけど
そんなことない。
何歳になっても太った痩せたと一喜一憂、ブンブン振り回されている。
偏食は元々だが
2年前、うつで2ヶ月会社を休職した頃に少食になった。
休職する前から食べる量が減っていた。
お腹は空くので何か食べようとすると
ムカムカして、食べ物が口に入らない。
無理やり口に入れると、
ムカムカは、もっと強くなって食べたことを後悔する。
吐くことはなかったけど、
だんだん食べる量が減っていった。
美味しいとか不味いとか、わからなくなっていた。
味の濃い物が欲しくて、よく食べていたのは、ポテチ。
ビッグサイズのポテチを1日1袋。1日の食事はこれだけ。
1日ブリトー2つ。
なのに1日ブリトー1つが正しい食事量で
2つは食べすぎだと思ってた。
当然、痩せた。3か月位で7㎏痩せた。
毎日減っていく体重計の数字を見て喜んでいた。
減らない日は、
「昨日食べ過ぎたからだ、今日は食べるの止めよう」と絶食した日もあった。
人生で一番痩せていた。
痩せている自分の体を生まれて初めて見た。
嬉しかった。ただただ嬉しかった。
栄養不足とか肌荒れなんてどうでもいい。そんなのとるに足らないこと。
痩せていることが一番大事なことだった。
やっと痩せてる自分を手に入れた。
休職に入る前、会社で同僚が「太った?」と聞いてきた。
その場面が記憶から消えない。
その頃から食べる量が減っていった気がする。
その同僚とは仲良くて、
お互いズケズケ言い合うのが日常で
傷ついたとかそんなんじゃないのに。
その同僚が太ったときは、
「ラーメンばっか食ってっから太るんだよっ」と私。
ランチ後、食べ過ぎて膨らんだ腹を
階下にいる私にわざわざ見せに来たことがあった。
「見てみて~ おめでた?って聞かれちゃった~笑」
爆笑するぐらいお腹が膨らんでた。
「どんだけ食ったんだよ?」とゲラゲラ、笑いがとまらなかった。
「大盛ラーメンと餃子とチャーハン♪」
「食いすぎっ!!!」
同僚も笑いながら他の人にも「見てみて~」と
膨らんだお腹をみせてまわってた。
いつも笑わせてくれる彼女のことは大好きで、
そんな同僚の言葉がなぜそんなに記憶に残ってるんだろう。
忘れられない言葉。
何年かぶりに会った妹の第一声「いつまでたっても痩せないね。」
妹は、痩せている。
高校生の頃、母親に言われた言葉。
「容姿がみっともない。」
白いパーカーを着ていた私に
「そんな風船みたいな恰好して・・。」
家族に言われた言葉は、頭に心にこびりついている。
なかなかとれない頑固なカビみたい。
言った方は覚えてないだろうし、
今さらそれを言及するつもりもない。
体重計に乗る時、ハイカロリーなものを食べる時、
試着した洋服がきつくて入らない時、この言葉がループする。
食べることに罪悪感を持つようになったのは、いつからだろう。
うつの休職から復帰した時、先の同僚は、ガリガリになった私を見て
「老けた。10歳は老けたね。」と言った。
顔色が悪くて首がシワシワなのは、気づいてた。
道ですれ違う人が、ぎょっとした顔するのが不思議だった。
会社でやたらと心配された。
やっと、ヤバイ痩せ方をしていることに気がついた。
徐々に体重は増えていった。
老けっぷりも解消した。首のシワも改善した。
すれ違う人にぎょっとされることもなくなった。
今。
痩せたい。
「みっともない容姿の風船みたいにふくらんだ」自分に近づいてる気がして。
あの病的な痩せ方が良くないのは、わかっている。
でもそれでも戻りたい自分がいる。
矛盾してる。
たくさん食べられる人を本気でうらやましいと思う反面、
食べてはいけないと思う。食べることは悪と思ってしまう。
わかってる。
栄養が足りない。タンパク質、ミネラル、糖分、鉄分、何もかもが足りない。
足りない栄養より太る恐怖に支配される。