墓地に行った。と言ってもお参りではなく散歩である。海沿いを散歩していて墓地があったので入ってみた。お墓を見ても何も楽しいことはないだろうと思っていたが意外と楽しかった。
墓石に刻まれる文字は“〇〇家”が一般的だと思うがいつからか好きな言葉などを刻むようになっているようでいろんな文字、模様が刻まれている墓石の並んだ墓地は、ちょっとした美術館のようで墓地という場所柄、楽しむという言葉は不謹慎なのかもしれないが、まあ楽しかった。
一番多いのはやはり従来通りの“〇〇家”だったのでそれを除くと一番多い言葉は「ありがとう」だった。私は「絆」が一番多いんじゃないかと想像していたのだがそうでもなく、絆の文字がずらっと並んでたら私と同居人は場所もわきまえず声を出して笑っただろうから絆だらけじゃなくてよかった。
その他には、和、やすらぎ、やすらかに、夢、感謝、旅立ち、旅、空、花、南無阿弥陀仏、心、祈、Forever。これらは言いたいことがわかるのだがちょっと意味不明だったのは「風立ちぬ」「遊」「FINE」「花鳥風月」。
「風立ちぬ」ってジブリ映画?松田聖子の歌? 多分どちらでもないんだろうけど。
「FINE」は直訳すれば大丈夫とか調子いいよとかそんな意味だけど英語がわからない私でもなんか変だなと思ったくらいだから英語ペラペラの同居人はもっと??だったようで「墓石に刻むような言葉じゃないけどなあ。」と言ってた。
言葉以外にもバイクや愛犬の姿を彫ったもの、花がたくさん彫られた墓石もあった。石も色々あったし、ガラスのもあった。フランス語やドイツ語、中国語が刻まれたものもあった。
私はなんて言葉を残すかな。「絆」だけは絶対嫌だが。
東日本大震災の後にやたらと「絆」「絆」言い出した人たちにぞわっとする。
「絆」自体はいい言葉だと思うけどそれをあえて声高に言って私って良いこと言ってるでしょってドヤ顔する人にドン引き。ましてやそれを墓石に刻んで残すなんて・・あああゾワゾワする、無理、絶対仲良くなれない。
同居人は「前進」という言葉が第一候補らしい。死んだのに何に向かって前進するのか?っていうツッコミを期待しての「前進」らしい。
なるほど~と私も色々考えたけどそもそも墓に入りたくないってことに気付いた。
ずーっと同じ場所にいるのも嫌だし、じめじめした土の中で密接した隣人は知らない人で、汚ねぇじじいかもしれなくて、そこに永久にいなきゃいけないなんてまじで無理。
やっぱり骨はそこら辺に撒くか、暴風の日に風に乗るように散布してもらいたいんだけど現在それは犯罪になるからどっかに撒くってなると海洋散骨しかない。でも私は海洋生物が大嫌いだから魚と遭遇する海なんて私にとっては地獄でしかないんだよなぁ。
墓地散歩は楽しかったのでまた違う墓地に散歩に行きたい。