家にいるときは常に何か「音」を流している。
音楽や雨音、風音、海外ドラマ。
本当は無音がいいのだがそうすると予期せぬ音で心臓がバクバクするし
緊急車両のサイレン音がすると何も手につかなくなる。
なので騒音対策として常に「音」を垂れ流している。
聴覚過敏はその苦手な音の音量関係なく反応するので
遠くにかすかにサイレン音がしてもイライラが急上昇して思考が止まる。
頭の中はサイレン音が消えるまで「うるさい、うるさい、うるさい！」これだけ。
だから急いでサイレン音がかき消えるような「音」を流すか、自分で叫ぶ。
家にいる時、私はよく大声で叫んでいる。
「うるさい！救急車走るな！」って。
冷静になると恥ずかしいのだけど、
その時は大声が近所に聞こえるとかどうでもよくって
ただひたすら怖い音から逃れたい一心で叫んでしまう。
眠る時も頭の横に置いたスマホからノイズや音楽を流している。
イヤホンや耳栓をすればいいと言われるけど
感覚過敏の人間はそんなもの装着したら気になって余計に眠れないし、
皮膚が弱い私は耳がかぶれる。
だから耳元で音を流す。
会社にいる時も救急車のサイレン音が聞こえることがある。
思わず「うるさいっ」って叫びたくなるけどそういうわけにいかないし、
かといって、手で耳を塞いだりするのも変な目で見られるだろうから
サイレン音が聞こえなくなるまで体にぐっと力を入れてひたすら耐える。
もちろん仕事なんてできるわけない。
聞こえなくなるまでそこで固まってるだけだ。
私の所属部署はそうでもないが周りの部署は電話応対が多いので
騒々しいのが常で本音を言えばノイキャンのイヤホンをしたいけど
聴覚過敏の診断書はないし、障害者雇用でもないし、
障害者手帳を持ってることも申告してないし、
今更対応してくれと言うつもりもないのでまあ、日々我慢してる。
我慢はしてるけど騒々しさは業務の特性と理解できるのでさほど辛くはない。
だけど。
昨日は向かいの席の人（美人）が立って雑談してて、うるさくて辛かった。
退職後に雇用されたおじいちゃんと喋ってて
おじいちゃんはやたらと声がでかくて会話も野球の話ばっかり。
「大谷はどんな女性と結婚するんかな？」
「アメリカ人かな？」
・・・知らんがな。
おじいちゃんは美人がかまってくれて嬉しそうにダラダラ喋ってたけど、
私はその時、急ぎの集計を頼まれていて集中して作業したいのに
目の前で大声で大嫌いな野球の話をされて
「うるさいっ」って言いそうになるのを我慢するのが大変だった。
前職場だったら、
「ちょっとそこうるさいよ～。」って気軽に言えたけど
普段誰とも喋らない派遣の私がいきなり
「ちょっと静かにしてくれませんか。」って言うのも・・・ねぇ。
こんなに騒々しいのに皆しれっと仕事している。
うるさいけど私と同じように我慢して仕事してるんだと、
長い間思ってたんだけど実はそうじゃないと最近知ってちょっとショックだった。
聴覚過敏じゃない人って不要な音は、シャットアウトできるんだってね。
近くでガンガン工事されたら流石に気になるだろうけど
雑談くらいは、全然気にならないんだってね。
私は、音量関係なく入ってくる「音」全てが気になるのだけど
普通はその人にとって不要な音は聞こえないらしいね。
なんてうらやましいのだ。
調子悪い時は救急車のサイレン音で泣いてしまう私。
感覚過敏ってなにかの罰なのか？
